【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第2章 8月のカタストロフィ【 煉獄杏寿郎 】
***
「………っ!?」
は飛び起きた。
「はぁ……っ、はぁ……っ……」
荒い呼吸。
額を伝う冷たい汗。
耳を澄ませると、聞こえてくるのは――
ミーン、ミンミンミン――……
窓の外から響く蝉の声。
冷房の動作音。
そして、目の前にある日めくりカレンダー。
そこに書かれていた数字は――
8月8日。
「…………え?」
は呆然と呟いた。
時計の針は午前9時を指している。
見覚えのある社会科準備室。
感じたことのあるひんやりとした空気。
そして――
「どうした、?」
目の前には、傷ひとつない煉獄がいた。
「……せん、せ?」
「うん?」
「……先生?」
「ふっ、どうした?」
「……煉獄先生……!」
はすがりつくように煉獄の胸へ飛び込んだ。
生きてる。
温かい。
血の匂いなんてしない。
さっき見たあの凄惨な光景は、全部嫌な夢だったんだ――
そう自分に言い聞かせるように、涙目で抱きしめる。
煉獄は一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐに優しく微笑むと、彼女の背中をポンポンと宥めるように撫でてくれた。
(よかった……夢だったんだ。ただの、凄く嫌な夢……)
そう、思い込もうとした。
けれど。
二時間の補習を終え、校門を出た瞬間。
胸を突き刺すような強烈な悪寒が走った。
焼き付くような真夏の空の色。
まとわりつく風の匂い。
うるさいほどの蝉の声。
待っていてくれた煉獄の笑顔。
すべてが、昨日と完全に同じだった。