【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第13章 Trick or Secret 〜いつもと違う、彼の顔〜
「……ったく。君は本当に……無自覚に人を試すような真似ばかりする」
低く落とされた声。
いつもの高らかな煽り口調は影を潜め、目の前で揺れる彼の瞳には、余裕のなさがありありと浮かんでいた。
「……A組の連中に、こんな姿見せてないだろうね?」
「見せてないよ。すぐ寧人のところに来たんだから」
「……ふん。ならいい」
どこか安心したように息を吐くと、物間はそのまま私を強く抱き寄せ、背中に回した腕に力を込めた。
「今夜は僕の勝ちだ。……、君のその姿も、時間も、全部僕が独占させてもらうよ」
耳元で囁かれる、プライドと照れ隠しが入り混じった本音。
高飛車な口ぶりの裏で、いつもの余裕を失っている彼。その腕の強さに、胸が甘く締め付けられていった。