【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第13章 Trick or Secret 〜いつもと違う、彼の顔〜
【 03 】
「ふん……まあまあじゃないか。僕の隣に立つ者としては、ギリギリ合格点をあげてもいい」
前髪をさっと整え、貴族風の衣装を綺麗に着こなした物間寧人は、人差し指を顎に当て、目の前の私を上から下まで品定めするように眺めた。
ハロウィンのために少し背伸びして着てみた、肩口とデコルテが覗く魔女の衣装。
A組のパーティーから少し抜け出して物間と落ち合ったのだが、彼の第一声は相変わらずの高飛車な評価だった。
「……そ。合格点ならよかったよ」
少し拗ねて背を向けようとした瞬間、手首をすんなりと掴まれて引き止められる。
「待ちなよ。僕がいつ『立ち去っていい』と言ったんだい?」
つんと澄ました顔で手首を引き寄せられ、気づけば彼の胸元へと引き寄せられていた。
服越しに伝わる体温と、ふわりと香る上質なコロンの匂い。
「何だよ、その不満そうな顔は。君がわざわざ僕のためにそんな奇抜な……いや、魅力的な格好をしてきたんだ。称賛の言葉くらい素直に受け取りなよ」
高慢に言い放つ物間だったが、私の手首を掴む指には妙に力がこもっていた。
肩越しに見える彼の耳は鮮やかな朱色に染まり、視線も私の胸元や露わになった首筋へと何度も逸れている。
「寧人……顔、赤くなってない?」
「……ハッ! 冗談じゃない、僕がこの程度の仮装で動揺するとでも? 呆れた自惚れだね」
即座に反論してくるものの、強がりな口調とは裏腹に、私の腰に回された手には隠しきれない熱と緊張がこもっていた。
指先が露出した背中に触れた瞬間、彼の手がかすかに震える。