【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第13章 Trick or Secret 〜いつもと違う、彼の顔〜
「心操くん、クッキーは……?」
「後でいい。今はイタズラ優先」
そう呟くと、心操は掴んでいた手首から滑らせるようにして私の腰に手を回し、ぎゅっと抱きしめる力を強めた。
服越しに伝わってくる彼の体温と、首筋にかかる規則正しい吐息。
「……なんか、お前といると力抜ける」
「疲れてるの?」
「そういうんじゃない。……安心すんだよ」
ぼそりと呟く声が、すぐ耳元に落ちてくる。
普段はクールで、感情をあまり表に出さない彼が、こうして猫みたいに密着して甘えてくる。そのギャップに、胸が跳ねた。
心操はゆっくりと顔を上げると、黒猫の耳をつけたまま、どこか意地悪く目を細めて微笑んだ。
距離が近すぎて、彼の紫色の瞳に私の顔がはっきりと映っている。
「……。逃げようとしてもムダだから。今夜は朝まで、俺のイタズラに付き合ってもらう」
そのまま引き寄せられるように唇が重なり、甘いカボチャの香りも忘れるくらい深い密着感に包み込まれた。