【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第13章 Trick or Secret 〜いつもと違う、彼の顔〜
【 01 】
紫色の髪にちょこんと乗った黒猫の耳カチューシャを、心操は鬱陶しそうに指先で弄くった。
「……これ、マジで付けなきゃダメなわけ?」
「ダメ。今夜はハロウィンだし、心操くん絶対似合うと思って買ってきたんだから」
寮の部屋のベッドに並んで座りながらそう主張すると、彼は呆れたように深いため息を吐いた。けれど、外そうとはしないあたり、なんだかんだ優しい。
部屋のテーブルの上には、二人で食べるために用意したハロウィンの焼き菓子やチョコレートが並んでいる。朝練や勉強で忙しい彼と、こうして部屋でまったり過ごせる時間は貴重だった。
「はい、心操くん。クッキー食べる?」
お皿からカボチャ型のクッキーを一枚取って差し出すと、心操は黒猫の耳を揺らしながら、だるそうに私を横目で見つめてきた。
「……ねえ。ハロウィンって、お菓子をくれなきゃ何する日だっけ」
「え? イタズラ……だけど」
「そう。イタズラ」
心操は差し出したクッキーを受け取らず、代わりに私の手首をすんなりと掴んだ。
そのままぐいっと腕を引かれ、気づけば心操の胸の中にすっぽりと収まっていた。
「わ……っ、心操くん!?」
「お菓子を差し出されて素直に貰うの、なんか悔しいからさ」
耳元に降ってくる、低くて少し掠れた声。
心操は私の肩に顎を乗せると、ふわりと体に重みを預けてきた。黒猫の耳が私の頬にカサリと触れて、くすぐったい。