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【ブルーロック】GAGAMARU symphony

第2章 隣の野生児


すぐに六時限のチャイムが鳴り、今日最後の授業を受ける。
ちなみに我牙丸くんはまた机に突っ伏してる。
ちゃんと授業を聞いているのか、ノートは取っているのか、共に不明。
授業が終わってホームルームが始まる前に帰り支度を整える。
ホームルームが終わったらすぐに教室から出ていけるように。
で、ホームルームが終わるやいなや私は荷物を持って立ち上がる。
ずっと伏せていたのにその気配を感じたのか我牙丸くんがピョコンと上半身を起こしてこちらを見る。
なんというタイミング。
バッチリ目が合うタイミング。

「透、また明日」

笑いかけるでもなく、社交辞令というわけもなく。
ただ表情もなく、声に抑揚もなく。
開いた手の平をこちらに向けて言ってくる我牙丸くんを邪険にすることもできず。
かと言って友だちのように親しげにすることもできず。

「あ、うん」

と、ちょっとだけ会釈して教室を後にした。
そんなやり取りは何だかとっても久しぶりだった。


次の日、私が登校した時に隣の席は空席だった。
私も登校時間は早い方じゃないけど、それでもいない。
朝のホームルームが始まるまで、いつも通りにイヤホンを耳に入れて外を眺めてやり過ごす。
ノイズキャンセリング機能をつけてれば教室のざわめきも気にならない。
スマホでアラームを設定すればチャイムを聞き逃すこともない。
いつもの朝。
チャイムがなる二分前にスマホが震えて、イヤホンをカバンにしまう。
しまって前を向いた頃にチャイムがなる。
隣の席はまだ空席。
チャイムが鳴り終わる五秒前に我牙丸くんが前のドアから飛び込んできて、チャイムが鳴り終わると同時に椅子に座った。
すごく騒がしく入ってきたのに何事もなかったかのように机に上半身を預ける。
いつも黒板の方に顔を向けるから必然的に私には背中を向けてる。
ブレザーを脱いでシャツだけ。
広い背中。
よく見たことはなかったけど、結構身長も高いのかもしれない。
そんなことを考えながら我牙丸くんの背中を見てたら、頭がゴロリと転がってどんぐり眼がこちらを見た。

「透、おはよ」

無表情で抑揚もない。
愛想なんてものもない。
けれど、なんだか無視できない。

「…おはよ」

小さい声でそう返したらちょうど先生が教室に入ってきて、こっちを向いていた頭はまたゴロリと転がって、またいつもの風景に戻った。
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