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【ブルーロック】GAGAMARU symphony

第2章 隣の野生児


「名前、何?」

未だに無表情の彼はどんぐり眼で覗き込んでくる。
その瞳を見つめたまま私が何も言わずにいると彼は「あ」と言うと自分を指差した。

「俺、我牙丸吟。そっちは」

そう言って私を指差してくる。
何だか私が言葉を話せない未知の生命体みたいな対応。
いや、どっちかと言うとそっちの方が意味不明だからね?

「…青木です」

「ん、青木。下は?」

「……」

「俺、吟。青木は?」 

いや、そこまで言われなくてもわかるし。

「…透」

「ん、透。覚えた」

いや、別に覚えなくてもいいんだけど。
我牙丸くんは机の方に向かって座り直して机の中から教科書とかノートとかを出し始めた。
次の授業の準備かな?と思って時計を見れば確かにもうすぐ予鈴がなる時間。
私は返してもらって手の中にあるイヤホンと耳に入ってるイヤホンをイヤホンケースに戻してカバンにしまった。
我牙丸くんは机に寝そべるように突っ伏しながらノートに何かをずっと書いてた。
次の授業、別に課題とか出てなかったよね?
予習?
いや、そんなことする人に見えない。
まぁ、私には関係ない。
そして私は授業が始まるまでの間、いつも通り外を眺めていた。
やっぱり外の天気は穏やかで、一回だけあくびをした。

五時限が始まっても我牙丸くんは机に突っ伏したまま何か書いていた。
いや、そういえば今まで気にしていなかっただけで、我牙丸くんは授業中はいつも机に上半身を預けるように突っ伏してた。
隣の席だけど、今まで我牙丸くんの銀色の頭しか見ていなかったと思う。
で、派手な頭だな、不良なのかな、関わらないでおこう、なんて思ってた。
実際、授業以外の時間は席にいないからどんな人なのか知る由もなかったし、知る気もなかった。
でもなんか、思っていたのと別方向の変な人みたい。

そんなことを思いながら五時限が終わった。
六時限までの休み時間は10分だからまたイヤホンで曲を聴くか、ただスマホを眺めるだけにするか少し悩んだ。
とりあえずどちらにしてもスマホを開く。
すると、隣から

「ねぇ、透」

と名前を呼ぶ声がする。
もちろん隣の我牙丸くん。
返事はしないで視線だけそちらに向けた。
我牙丸くんはやっぱり無表情のどんぐり眼で、私の目を真っ直ぐ見ると私の方にノートをずいっと差し出してきた。
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