• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【ブルーロック】GAGAMARU symphony

第5章 噂の野生児


「てかさ、一口目で卵焼き出てきたから良かったけど、一口目が卵焼きじゃなかったらどうしてたの?食べてる途中で出てきた時とか」

我牙丸くんの勘で一口目が卵焼きって思ったから私にくれたのはわかったけど、じゃあ一口目が卵焼きじゃなかったらどうしていたんだろう?
さすがに食べ進めてるおにぎりをよこすなんてことは…

「あー、そん時は出てきた時に食べさせてた」

あった。
そんなことあった。
卵焼きが出てこなかったら我牙丸くんの食べかけ食べさせられてた運命があったことに震える。
本当、ツイてた。
今日の私、今年一番ツイてたと思う。
たぶん今年の運勢ここで使い果たした。
…こんなところで…

私は何とも返事が出来ずに黙って自分のお弁当を食べ進めた。

なんで我牙丸くんってこんなに変わってるんだろう?
だから周りから注目されるんじゃないの?
それって我牙丸くん、気づいてるのかな?
周りの目、気にならないのかな?

「我牙丸くん」

「あー?」

「我牙丸くんってさ、廊下歩いてるだけでみんなにめっちゃ見られてるよね」

「そうか?」

「うん、めっちゃ見られてる」

「あー、俺、デカいし、髪の色も違うし、目立つんだろうなー」

「それだけ?気にならないの?」

「あー、まー、いくら見られてても俺は俺だ」

思わずお弁当をつつく手がはたと止まった。

『見られてても俺は俺』

なんて単純で、なんて強い言葉なんだろう。
どうしてそんなふうに思えるんだろう。

「…我牙丸くんはすごいね」

「?」

「すごい…強いと思う…」

なんて表現すればいいかわからなくてそんな言い方になっちゃった。
我牙丸くんは

「まー、俺はデカいし、力も割と強い」

なんて言ってる。
私が言いたいのはそういうことじゃないんだけど、それをわざわざ説明するのもなんか気恥ずかしい。
いや、強いんじゃなくて鈍感なだけなのかも。
もー、本当に我牙丸くんといると調子が狂う。
でも。

「…私も、強くなれるかな」

お弁当を飲み込んだ口の中でぽそりと呟いた。
そんな小さい声でも我牙丸くんは聞こえたみたいで、目の前の草木を眺めながら、

「おー、明日もトレーニングやっぞー」

と言った。
朝のあの加重トレーニングのことを思い出した。
いや、そういうことじゃないんだけど。
むしろ、あれは絶対意味ないからやめてほしい。
/ 72ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp