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【G@lileo】音色の方程式

第5章 『識別る』




 その日の夕方。
 オーケストラ部の練習があった。


 「フルート、もうちょっと出して!!」

 「はい!!」


 指揮者の声が飛ぶ。

 楽器を構える。
 周囲には、何十人もの部員。

 ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、
 オーボエ、クラリネット、ファゴット、
 ホルン、トランペット、トロンボーン。

 たくさんの楽器。
 たくさんの人。
 個人練習とは、まるで違う。

 私は、この時間が好きだった。

 一人で吹くのも好き。
 自分の音だけを聞いて、
 何度も同じ場所をやり直す時間も嫌いじゃない。

 でも、
 自分の音が、誰かの音と重なる瞬間。

 何十もの音の中へ溶け込んで、
 それでも確かに一つの音楽を作っている瞬間が、
 私は好きだった。


 「もう一回、四小節前から!!」


 指揮棒が上がる。

 息を吸う。
 一斉に、音が重なった。

 自分一人では絶対に作れない、大きな音。

 その中へ、
 私のフルートも溶けていった。



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