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【G@lileo】音色の方程式

第4章 『交差る』




 先生の背中を追いかけた私は、理工学部棟へ入る。


 「うわ……」


 思わず声が出た。


 「何だ?」

 「いや」


 辺りを見回す。


 「私、ちゃんと中に入るの初めてかも」

 「理工学部棟にか?」

 「はい。いつも外で吹いてるだけだから」

 「経済学部の学生なら当然か」


 先生について廊下を歩く。

 すれ違う学生、いくつも並ぶ研究室、実験室。

 聞いたことのない機器の名前、
 壁に貼られたポスターには、
 何を意味しているのかさっぱり分からない図や数式。


 「……別世界」

 「同じ大学だ」

 「そういう意味じゃなくて」


 先生が振り返る。


 「経済学部棟には、こんなのないですもん」

 「代わりに僕には経済学部の専門分野が分からない」

 「先生でも分からないことあるんですね」

 「当然だ。僕を何だと思ってる?」

 「何でも知ってそうな変な人」

 「前半と後半が矛盾している」

 「してませんよ」


 そんな会話をしながら歩いて、
 先生が、一つの扉の前で止まった。


 「ここだ」


 プレートを見る。
 第十三研究室。


 「…………」


 ここが、
 いつも先生がいる場所。


 「何だ?」

 「いや……本当に研究室あるんだなって」

 「なかったら僕は普段どこにいるんだ?」

 「いや、そうですけど」


 先生が扉を開ける。


 「入れ」

 「お邪魔します……」


 なんとなく小声になった。


 足を踏み入れて、最初に思ったのは、
 ——物が多い。



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