第4章 4
「私も映画とか見るの好きなんです!」
「いやドラマです」
「それもっ」
食いついてきた年下のあなたに、彼は若干引いている。
だが、何か言おうとしたのか、彼の口元が動いた。
けれど、また閉めてしまった。
あなたはエナードの顔立ちをもう一度よく見る。
美しく端正だが、彼は自分からはあまり話さない。
その代わり、長い間の中で、色々考えているようにも見えた。
「エナードさん。もしよかったら、今度……一緒に映画見ませんか?」
つい、言葉が出てしまった。
あなたは男性をこんなふうに、誘うタイプではない。
でも彼に興味がわいていた。
「映画……? どこでですか」
「私の家です」
普通にそう答えると、彼は瞳をそらし、小さく咳払いをした。
「女性がよく知らない男を家にあげるのは、感心しませんね」
「…まあそうですけど……ちょっとは知ってますよね、もう」
あなたは胸がドキドキする。
即断られていない。かなりの驚きだった。
「い、嫌でしたかね。すみません。急すぎましたね」
「……嫌ではないです」
「うそっ!?」
あなたが隣のバルコニーに前のめりになるも、彼の表情は変わらない。
もしかして……OK?
「ありがとうございます! 一緒に映画楽しみましょうね!」
「……わかりました」
さらに本当の了解までもらい、あなたの顔が明るく輝いていく。
そんな様子を、彼は若干困ったように見ていた。