第4章 4
草抜きが終わり、あなた達は自分の部屋に戻る。
そのとき普通に事務的に別れたのだが。
あなたは週末の日課通り、タンクトップに短パン姿でバルコニーに出た。
午前中のまだ風が爽やかな時に、こうするのが気持ちいいのだ。
「はあー。最高~」
サングラスをしてノンアルドリンクを片手に、チェアで休んでいた。
するとバルコニーのドアが開く音がし、まさか隣の彼かと振り返る。
彼はひょっこりと、顔を出して確認してきた。
「エナードさん!?」
「……なんですか。自分のバルコニーですよ」
「まあそうですけど……さっき会ったばっかりですねえ」
開放的な気分に浸っていたあなたが体を起こし微笑む。
外で会うのと、部屋に繋がった私的な空間で会うのは、少し不思議な感じがした。
「外、綺麗になりましたよね」
「はい」
「あれ見るの、私好きなんですよ~。すごい達成感というか。エナードさんもじゃないですか?」
「いえ別に……」
「…あっそうですか」
つい明るく喋ってしまい、テンションの低い彼を困らせたかと思った。
でもあなたは、勝手に前向きに考えようとし始めていた。
普通に考えたら、バルコニーに誰かいたら、あまり親しくもない限り、部屋に引っ込むと思うのだ。
とくに彼のように、あまり人付き合いを欲していなそうな人なら。
あなたは立ち上がり、隣のバルコニーの柵でコーヒーを飲む彼のそばに行った。
「あのー。エナードさんって、普段何してるんですか」
「仕事です」
「あ、はい……。他のときは…? 料理はしないんですよね」
「しませんね。……自由時間ですか。……車の運転をしたり、ドラマを見たりですかね」
その台詞に、あなたは目を輝かせる。
運転はあなたも好きだし、なによりドラマを見るのも共通点だったからだ。