第6章 6
部屋の空気が温まってきたところで、映画を見ることになった。
リビングの照明を落とし、大きなテレビ画面の配信チャンネルで、映画を探す。
彼の好みもあるだろうと、あなたは前もって決めてなかった。
「あっ、ていうか映画でよかったですか? やっぱりドラマにします?」
「ドラマだと、続きも見に来ないといけませんよね」
「あはは、ほんとだ」
さすがにそれは迷惑かと思い笑うと、彼はあなたにワインを注いでくれた。
グラスを一緒に向き合わせ、乾杯をする。
なんだか、彼が静かにワインを飲む姿に、あなたはうっすら見とれていた。
映画を色々と探すも、なかなか決まらなかったので、エナードはあなたの好きなものでいいと言ってくれた。
「じゃあこれにしましょうか。大好きなんですよ~この映画」
あなたは瞳を緩ませ、お言葉に甘えてお気に入りの家族もののドラマを選んだ。
サスペンスあり人情ありの、人間関係にぐっとくる秀逸なストーリーだ。
さっそく二人は二時間近い映画を見始めた。
あなたはところどころ「あっ」とか「ひーっ」とか反応していたが、彼は終始無言だった。
時折エナードを見ると、足を少し開き、背筋はゆったりして、顔は真剣だった。
そうしてエンドロールが流れた頃。
あなたはぐすぐすと鼻をすすり、目元が赤くなっていた。
「……ものすごく泣いてますね」
「すみません、いつもこうなっちゃって…っ」
横から彼に引かれているのが分かったが、感情はあふれてしまっていた。
彼が自分のポケットから四角いティッシュの袋を出して、二枚くれる。
あなたは遠慮なくお礼を言って受け取り、向こうを向いて鼻をかんだ。
「へへっ。ありがとうございます。……でもどうでした? 面白くなかったですか?」
「いえ……面白かったですよ」
彼がそう言ってくれたのであなたは喜びに沸き立つ。
エナードは感想まで述べてくれた。