• テキストサイズ

テンション低い隣人男性と仲良くなる話

第6章 6


「登場人物のやり取りが段階的に深くなっていって、よかったですね。……あなたはあの最後に自首したキャラクターに共感するだろうなって思いながら、見てました」
「えっ、どうしてわかったんですか! エナードさん、すごい洞察力ですよ、さすが~っ」

すると彼は体をこちらに向けて言った。

「さんは優しい人だからです。隣でも、すごく感情移入していたのが伝わりましたから。……あなたの気持ちになってみたら簡単でしたよ」
「⋯⋯ほっ……本当ですか。嬉しい……」

独特な鑑賞の仕方だと思いつつも、あなたはじわりと顔が染まっていく。

エナードが真面目にこの映画を見てくれて、よかったと言ってくれて、嬉しかった。

「一緒に見れてよかったです。楽しかったなぁ」

照れながら言うと、エナードはあなたを珍しそうに見つめた。あのじっとうかがうような眼差しではなく、知りたがるような感じだ。

そして彼は、腰を上げた。

「それじゃあ、そろそろ――」
「えっ。もう帰っちゃうんですかっ? 映画終わってすぐっ?」

そう尋ねたあなたの顔が、ものすごくショックで寂しそうだったのだろう。
そのうえ少しハートブレイク気味にも、エナードには見えた。

だから彼は上げた腰を、ゆっくり立ち上がらせてこう言った。

「いや……まだ帰りませんよ。トイレに行こうと思っただけです」
「……なんだぁ。そっか。あ、その奥のつきあたりです」
「⋯はい。知ってます」

間取りが似ているため、彼はそう頷いたあと、いったん消えた。

あなたは顔を整え、グラスに最後のワインを継ぎ足した。
表情は嬉しさを隠せていない。
/ 16ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp