第9章 世界を守る
やはりトラックの運転手をしているらしい
しかも、他の運転手たちを束ねるような立場で
しっかりと仕事をしているということだった
桂木神父が運送会社にマサキを訪ねていくと
マサキは目を丸くして驚いた
桂木神父は
マサキに、お礼を言った
お陰で孤児院が再建できそうだと
マサキは照れたように笑うだけだったが
運送会社の社長がその背中をどんと押した
「こいつは、孤児院のことを聞いて、
すぐにあちこちに電話したり、
行ったりして寄付を募ったんだ
こいつは働き者で、
お客さんの結構な無理もよく聞いた
だから、沢山の人が快く寄付をしてくれたようだ
もちろん、俺も寄付したよ
こいつにはとても世話になったからな」
「なあ!おい!!
お前、話すことがあるんだろう?」
社長に促され
マサキは目を泳がせながら
ポツポツと言ったのだ
ーだってさ、
あんた、祈ってくれただろ?
親に捨てられて
先生からも呆れられ、
どうしようもなくグレて
ケンカや盗みばかりやっていた俺のために
あんた、祈ってくれたじゃねえか
神様がいつも一緒にいて
祈りが聞き届けられるから
絶対に大丈夫だって
あんた、言ってたじゃねえか
それ、ずっと信じているんだろう?
だったら、だったら、
俺がやるしかねえじゃねえか
あんたが信じている世界が
本当だって
神様ってやつが本当にいるんだって
俺が・・・俺が
証明するしかねえじゃねえか・・・
マサキはふと
窓を見た
社長は、その目に涙が溢れているのを
見ていた
桂木神父もまた
泣いていた