第9章 世界を守る
突然、何人もの実業家、経営者が
多額の寄付を申し出てきたのである
突然のことに驚いた桂木神父が
寄付を申し出た人たちにその理由を聞いた
すると、全ての人が「マサキ」という名を口にした
「突然マサキが来て、必死にお願いするものだから」
「うちはアイツに恩があってね
今度はこっちが助ける番だって」
「社長が会ってくれるまで、ずっと待ってるって言ってさ
んで、根負けだな」
桂木神父には
「マサキ」の名に覚えがあった
ウラナカ マサキ
札付きのワルで通っていた男だった
孤児院でも学校でも
さんざん問題を起こして
そのたびに神父は胸を痛め、謝罪巡りに奔走した
そして、
マサキが問題を起こすたびに
コンコンと説教をし、
聞かないで出ていこうとするマサキを押しとどめ
最後には、必ずマサキのために祈り
こう言った
「神様はいつもあなたのそばに居てくださる
君がどんなに悪いことをしてもだ
だから、
そんな神様に恥じないように生きなさい」
マサキは聞いているのか聞いていないのか
結局、最後までわからなかった
そんなマサキも大人になり
孤児院を出る時が来た
とても心配したが
風の噂で
トラック運転手として頑張っているらしいと聞いていた
その
マサキだ
桂木神父は
マサキのことを探した
寄付をしてくれた方に聞くと
存外、あっさりと見つかった