第4章 Lazy Night
容量だの機能だの、比較している横でリカはスマホを眺めながら、
どれが一番いいか聞いてきた。
『一番いいのじゃなくて、条件に合うやつ選んでんだよ』
『じゃあそれで』
『お前も見ろよ』
『面倒い』
『後で文句言うなよ』
『未来の私に言って』
そんなやり取りがあり、結局俺が選んだものをリカが使っている。
こだわりがないというより、
自分がこだわらなくていいことを俺に投げている。
そして未来のリカである、今のリカは俺に文句を言っている。
正直、想像した未来が今やって来ただけだ。
文句を言って一通りスッキリしたらしい。
リカはもうトースターのことなんてどうでもよくなったように、
冷めたピザの箱を端に寄せた。
「まあいいや。次からあんたが持ってくれば解決でしょ」
「なんで俺が持ってくる前提なんだよ」
「だって、あんたのほうがこういうの詳しいじゃん」
「詳しいんじゃなくて、お前が調べないだけだろ」
「あんたに任せたほうが早いし」
「そうやって何でも投げてくるよな」
「投げたほうが楽」
「開き直んな」
そう言いながらも、リカはもう別のことを考えている顔をしていた。
面倒なことを俺に渡してしまえば、
自分は次にやりたいことへ進める。
多分、こいつにとってはそれだけのことだ。
「ねー、あれ見ようよ。この間の続き」
「エイリアンのやつ?」
「そうそう。あんた、続き見てないよね?」
「見てねーよ」
リカがテレビのリモコンを操作している。
ひとりで先を見た様子もなく、
俺が知っているところで再生バーが止まっていた。
かなり気に入って見ている癖に、続きは気にならないらしい。
「ネタバレ禁止だからね」
「だから見てねーって」
「うるさい、集中してみるんだから」
そう言ってリカはテレビに顔を向けた。
少しだけ音量を上げて、リモコンを俺の膝の上に放り投げる。
そして、俺はそれを定位置に戻す。
「またピザ食べてる。
だからピザ食べてると見たくなるんだよね」