第4章 Lazy Night
「洗濯機の横に掛かってないんだけど?」
「いつものとこにないの? えーどこいったんだろ」
いつものとこ、自分が決めた場所がそう呼ばれている。
ここがランドリーネットの定位置になるためには随分と時間がかかった。
だが、ないんじゃ意味がない。
「だからさー、使うんだったらなくすなよ」
「すぐ消える」
「消えない」
あんなものが消えるわけがない。
足が生えてるとか、妖精が隠したとか、いくらでもある、他責バリエーション。くだらない言い訳を言ってズボラであることから逃げている。
思いつく場所はいくつもあったが、
そのなかで可能性が高い場所を絞って確認した。
「ベッドと壁の間、それかベランダのカーテンの隙間」
「あー、あった」
彼女はカーテンの隙間から探し出してきたランドリーネットを投げた。
届くわけがない。
それを拾いに行く。
ここに帰ってきてから絶対、俺のほうが歩いてる。
拾い集めた服をランドリーネットに押し込み、洗濯機に放り込む。
リビングに戻ると、リカはあれだけ悩んでおいて、
結局適当に選んだのであろう俺のダボダボのTシャツを着ていた。
だらりと力を抜いて、座っていると言うより、落ちている。
「下も穿けよ、アザラシ」
「私の部屋なんだから私が絶対ルール」
「ルール守らずにランドリーネット放置したクセに?」
「さっきのはルール守ったら駄目なルールだった」
「はいはい、ルール審査員が家出でもしたのか」
「そう、ペンギンの赤ちゃんを見に行くんだって」
Tシャツの裾から
いつか、俺の知らないところで勝負するだろうそれが覗いている。
そして彼女の顔に目線を戻すと、なぜか体勢を直し誇らしげに胸を張っている。