第4章 Lazy Night
「ペンギン界複雑すぎる。
でもさー、私の相関図あったら人生楽なんだけどなー」
「あってもダルいって。見ないだろ」
憎まれ口を叩きながらリカの相関図を頭に描いた。
あの失礼な上司は多分、気が置けない上司。冗談の言い合える残業仲間。
杏は、学生時代からの友人。変な友達。水族館ランキング共同制作者。
頭の中で彼女のまわりがどんどん完成していくのに自分の位置が定まらない。
元カレ? 別れたのに家に来る人?
ただ、彼氏と聞かれたら、もう違う、ことだけは確定してる。
駅前でそう言ってたから。
そんな存在、相関図には必要ない。
じゃあなんで俺はここに居るんだ?
「それ、洗濯機いれといて」
リカの言葉でその思考が止まる。いや、止めることができた、に近い。
いつの間にか俺はリカの脱ぎ散らかしに囲まれていた。
渋々拾い集める。
俺、飯食いに来たんじゃなかったっけ?
最初から俺に集めさせるつもりで投げていたのではないかと思うほど
今日の彼女を包んでいた残骸が部屋に散らばっている。
「それ、ネットに入れてよー」
追加注文までしてくる始末。
面倒だと思っても、
やらないと彼女はやる気起こすためにタバコを吸うとか言い出しそうだ。
せっかくテイクアウトした料理が冷めていく。
服を拾い集めている間、
彼女は自慢してきた姿のまま、まだ、だらだらとTシャツを選んでいた。
家にいるだけなら何だっていいのに、柄を見ては仕舞う、を繰り返している。
いつも通り、バスルーム手前の洗濯機。
横の棚の上から3番目の段にあるジェルボール状の洗濯洗剤を投げ入れる。
その上から服を入れるつもりだったが
肝心の仕分け用のランドリーネットが定位置にない。
彼女が洗濯前にいつも探してるから定位置を決めたのは俺だった。