第4章 Lazy Night
「何その元カレセレクション。ウケる。
あんた一番右端ね。
左から順番にこの人は多分怒ります、
この人は見ないようにします、
この人は誘ってるの?って聞いてきます、
この人は見てないふりしてめっちゃ見ます、って説明してく?」
「くだらねー」
「あんたが始めた物語」
「……最後、この人はこの企画の提案者です、って俺が紹介される」
「順番的にもオチ、完ぺきじゃん」
そんなくだらないことを言ってる間、
彼女は下着のまま、
ベッドサイドの姿見の前でくるくると回って、自分を眺めていた。
「それよりさ、これ可愛くない?
杏がさー、柄にもなく勝負下着欲しいとか
バカみたいなこと言ってたから買い物付き合ったときお揃いしたー」
杏、よく出てくる友人の名前。
会ったことないけど知ってる。本好きな学生時代からの友達。
彼女は地元に帰ったけどたまに出張で近くに来る、その時だけ会ってることも。
変な子だけど話すと楽しい、彼女はその友人のことをそう表現している。
類は友を呼ぶ、変なんて、お前がいうなよ。そう思ったから覚えてるだけ。
「あー、杏って子、また出張で? 公務員なのに大変だな」
「クソ激務公務員」
「あんたのクソヒマ公務員友達とは違う」
「航貴な、アイツマジ暇人。
最近はそうでもないみたいだけど」
「ドイツ車好きのやつ、暇じゃなくなったのかー」
どんな括りだよ。航貴、リカが会ったこともない俺の友人。
確かにリカと付き合ってた頃、ヤツがいきなり通話をかけてきて
酔っ払いながら延々と車について語られたことがあった。
彼女といると断ったのに、
将来のために彼女にも聞かせるべきとか言いだして
スピーカーにさせられたんだっけ。
だから覚えてたのか。
まあ、ヤツが言ってた二人で車を持つなんて将来、来そうもない。