第3章 Lazy Ex
「リカ、お疲れ」
「うん」
俺がリカを見ていると、彼女もこちらに近づいてきた。おまけも一緒に。
そのおまけにも軽く会釈して微笑んで見せた。
第一印象って大事だから。
「お前いくら積んだんだよ?タダで付き合える男じゃねーだろ」
リカの上司らしき男はリカに悪態つきながら
俺をまじまじと眺めてくる。
うん、彼の第一印象最悪だ。でも褒めてるのはわかる。
よく言われてる、顔いいんだけど遊んでそうなんだよなって。
「積んでない!これ以上構うとモラハラで訴えるよ」
「うわ、出た訴訟チラつかせるやつ! 冗談だって。
頑張れよ、無様なリカちゃん」
へらへら笑いながら手を振って去って行った。
「はいはい、お疲れ様でーす」
リカはそれを冷めた声で適当にあしらっていた。
「お前のくだらねえシモネタの元凶が見えた気がする」
「やめて。楽しいけど口悪すぎ、あの上司」
楽しそうに去っていくリカの上司を見送る。
きっと、職場では俺と居る時とはまた違った彼女なんだろう。
軽快に冗談を受け止めては投げ返す。
その片鱗は見たことがあったけどここまでではない。
普段あまり見ないリカを垣間見た気分だ。