• テキストサイズ

愛しのサプフィール

第7章 癖


そう言ってトレーネスが背筋を正す。段々と食前の祈りの所作も様になってきた。
子の成長は早い。あと2ヶ月もすれば7歳だ。
少し見ない間にどんどん大人びていってしまう。
「そういえば、お父様……9月上旬に収穫祭っていうのがあるって、庭師の人が教えてくれたんですけど……」
少しもじもじとしながらトレーネスが言う。
「行きたいのか」
「……はい」
静かにトレーネスが頷いた。
「当日は護衛をつける。乳母と一緒に……」
スヴェトザールはそこまで言いかけ、止まる。前にもこんな事を言って失敗したことがあった。
「私と一緒に行くか」
思い直し、提案する。
乳母のソーニャと行きたくて、その許可をもらいたかっただけだったかもしれない。言った後に一瞬そんな考えが過る。
「嫌じゃなければ……だが」
焦りつつそう付け加えるものの、トレーネスは目を見開きながら頷いた。
「は、はい……お父様と行きたいです……!」
言いながら、トレーネスの口元がへらっと緩む。その眉尻は困ったように下がっていた。
「……」
それを見つめながら、スヴェトザールの口元も少し緩んだ。
「当日は時間を空けておく。一緒に近くの街へ出向こう」
「はい、楽しみです……!」
嬉しげな様子で食事をする息子を見ながら、スヴェトザールはわずかに安堵した。









/ 61ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp