【H×H ミルキ】夏の大作戦 〜軽井沢に行きませんか?〜
第6章 恋のバトンタッチ
「弟はこのとおり、頭がいいのに馬鹿な奴なんだ。でも、ミルキはこんな七面倒な計画を立てるくらい、今日のことをずっと楽しみにしていた」
イルミは穂乃果へ視線を戻した。
「だから穂乃果、ミルキをよろしくね」
「は、はい!」
「…… ファイットォー!」
間延びした声を残して、イルミは木立の向こうへ歩いていった。
その後ろ姿をしばらく見送っていた穂乃果は胸の奥を、ちくんと小さな針で刺されたような気がした。
けれど、隣から聞こえてきた声に、ふと顔を上げる。
「ちっ。なんかムカつくな」
ミルキは、まだ少し緊張した顔をしていた。だがその瞳の奥は、いつもの利発そうな輝きを取り戻してきている。
ミルキは一度、大きく息を吸った。
「よっしゃ! ……行こうぜ」
「うん」
穂乃果は頷いた。
「行こう、ミルキくん」
湖畔へ続く小道を、二人は並んで歩き始めた。最初の数歩は、どちらもぎこちなかった。
もう、二人の間に案内役はいなかった。