第12章 全て元通り
椿は構わず喚き続けた。
「結婚して三年五条家に居させてって頼んでるだけじゃない!!その間もあんたは好きにしていいし、三年後には離婚するっていうのになにが不満なのよ!!」
「…………。」
悟は冷めた目で喚いている椿を見下ろしていた。
一通り椿の暴言が終わった頃に、悟は後ろについてきている昴に体を向けた。
悟の六眼に射抜かれて、昴の体がビクッと反応した。
「……これいつまで続くの?」
「…あ、自傷が始まる前に鎮静剤を…。」
「殴るよ。」
注射器を出そうとした昴を制した後に、悟は大きく息を吐いた。
「!!」
椿が着ているジャケットを、腕を通したまま固定するように器用に縛り付けた。
その屈辱的な自分の姿に、椿の顔はさらに赤くなる。
「嫌い!!あんたなんて大嫌い!!」
悟は絶えず暴れる椿を、昴が用意した車の後部座席に投げ入れた。
硬い革のシートの感触に、椿の顔が歪んだ。
そのまま悟も後部座席に乗り込み、昴は運転席に乗り込んだ。