第11章 イカれた世界
「……いつからですって?五条家であなたと出会う前からずっと見てたわよ。」
「なんや。はよ言うてくれたらよかったのに。」
乾いた笑みを浮かべて直哉は言った。
その皮肉な笑みに椿は溢れる怒りを抑えきれなかった。
直哉の手を払いのけて、もう一度直哉の胸元を拳で殴った。
「なにを言えって?!あなたの放った呪霊が口の中から入ってきて窒息死したこと?!それとも手足から引き裂かれて首を捩じ切られたことかしら!?それとも呪霊に生きたまま焼かれた時?! あれは最高に苦痛だったわね!!」
椿は目を見開き、笑いながら言った。
直哉はもう一度椿の手首を掴み、ベッドに押しつけた。
「…ほんま、イカれてんな。」
片手で椿の両手首を拘束して、椿の顎を掴み上げる。
思い切り掴まれた痛みよりも、目の前の男への憎しみの方が強かった。
「……あんたも見てるんでしょう?私がどんな死に方したのか。」
「せやから、あれなんなん?」
「…知らないわよ。強いて言うなら、あんたには関わるなって言う神のお告げかしら?」