第11章 イカれた世界
直哉も椿と悟の結婚を阻止したかったので、椿に会おうと彼女の動向を窺っていた。
椿を張っていたら、自分以外に椿を狙っている人物に気が付いた。
五条家の繁栄を妬む、どこぞの術師の家系か。
五条悟を殺すことが出来ないなら、椿を狙うのは当たり前だ。
「ようまぁ、あの程度で悟くん敵に回せるなぁ。」
呪霊操術だろうか。
椿が乗っている車に群がる呪霊を見ながら直哉は思った。
どっかの特級の呪詛師に比べて、操る呪霊の階級は低いものだった。
だけど、呪霊に耐性のない非術師の椿なら、死に追いやるには簡単なことだった。
椿の乗った車が大破したのを見た時に、直哉のこめかみがピクリと動いた。
動かない椿の体が、遠目からでも一部見えた。
車の中の椿に、無数の呪霊が集っていた。
「椿が死んだら、悟くんのオモロい顔見れるんかなぁ?」
そう鼻で笑っていたのに、直哉の体は椿に向かっていた。