第10章 結婚しない
今までは自分が椿の慰めだと思っていた。
だけど、その必要もなくなり、椿にとって昴は悪夢の証明する存在だけになったようだ。
「…五条さんから十種影法術を伏黒恵に教えて欲しいと頼まれました。」
昴は自分の価値を確かめるように椿に言った。
昴の言葉を聞いて、椿は小さく頷いた。
「悟から聞いているわ。昴の能力は呪術界では素晴らしくて、私の護衛だけするのは勿体無いと言っていたわ。」
椿は少し誇らしげに言った。
だけど、それは昴の聞きたかった言葉では無かった。
「私もそう思う。悟と結婚したら、私の権力は悟の権力にもなる。悟が昴を必要とするなら、私はあなたを五条家に仕えさせるわ。」
それは昴を悟同様駒としか見ていない椿らしい言葉だった。
特に悟の側に居れば悪夢を見ないと証明出来たのだ。
椿が昴に依存する必要も無くなった。
少し前までの椿なら、昴が視界に入っていなければ癇癪を起こしていた。
そんな彼女の変わりように、昴は小さく頷いた。