第9章 よくない変化
「結婚して私以外の女に触れたら、あなたを地獄に落とすわ。」
悟の目をジッと見て、椿は強い口調でそう言った。
許すとも一言も言っていないのに、そう言った椿を見て、悟は目を細めて彼女の背中に手を回した。
胸元に顔を押し付けられて、硬い筋肉の壁が心地よく上下していた。
「二度と、椿以外の女に触れない。」
胸元に押し付けられた耳に、木霊するように悟の声が聞こえた。
気持ちのよい低音の声に、椿は少し目を伏せた。
抱き締められる力が強くなると、椿は顔を顰めながら言った。
「…痛いわ、あまり強く抱き締めないで。」
ゴツゴツとした手と、固い筋肉に挟まれて、椿は居心地悪そうにモゾモゾ動いた。
「確かに、椿もすぐに骨が当たって抱き心地がよくないな。」
「今、私を誰かと比べたの?」
悟の文句に、椿は目を吊り上げて、悟の胸元に爪を立てた。
何故か悟は怒っている椿の背中を嬉しそうに撫でた。
「僕の好みの話だ。椿はもっと肉付いてもいいくらいだよ。」