第1章 口喧嘩は日常
私が田中さんの家政婦になったのは数ヶ月前。
仕事を辞めて転職先を探さなきゃな〜と思った時に母からお願いされたのだ。
『知り合いの息子さんの家政婦してくれない?』
その知り合いというのはあつこさん。母とあつこさんは元は地元が一緒の先輩後輩であって、とても良くしてもらったそう。そんなあつこさんの息子こと田中さんは一人暮らしをしているのはいいが、ほっとくとご飯も食べないし寝起きが悪くてなかなか起きないしと心配だから誰か家政婦をしてほしいと母に相談したらしいのだ。
そして私が家政婦になった。
ちなみに私の前に数人田中さんの元で家政婦をしてた人はいたのだが全員クビになっている。
なんでかって?田中さんを誘惑するは、田中さんの私物を盗むし料理にちょっといかがわしいお薬盛ろうとしたりと大変だったらしい。
イケメンというのは以外にも大変。
樹「月永、今日の晩飯は?」
「え?作らなきゃならないんですか?」
樹「お前自分の職業知ってるかな??」
「え〜。飲んで食べてきてくれた方が楽なのに」
樹「家政婦がそういう事言うのはどうかと思うな!?」
「ちなみに晩御飯は今日の買い物で決まりますね」
樹「ラザニア食べたいな」
「面倒なんで嫌です。お茶漬けにしましょう」
樹「給料減らすぞ!!」
「パワハラだ!!然るべき対処しますよ!!」
ちなみに私と田中さんはずっと口喧嘩しているけれど初対面の時からこうなのだ。この人初対面の時から酷かった。
樹『え?新しい家政婦来るからワクワクしてたけど絶壁のガキじゃん』
『うわ、イケメンだって言われて期待したのにただのヤンキーかぶれじゃん。あと普通に好みじゃないな、このイケメン(仮)』
樹『テメェ解雇すんぞ!!』
『セクハラで訴えますよ!!』
これが初対面のやり取りだ。初対面数秒で口喧嘩する人間ってなかなかいないよって田中さんのお母さんであるあつこさんが爆笑していた。
あれから数ヶ月私たちにとって口喧嘩は日常となってしまった。
まあなんだかんだここまで続けれてるのはすごいとあつこさんが関心していた。前の人たちは数週間で田中さんが解雇してるから。
樹「あ、あれ食べたい」
「あれじゃ分かりませんね」
樹「前に月永が作ってくれたやつ」
「どれ」