第1章 口喧嘩は日常
樹「肉じゃがのグラタン」
「なんで肉じゃがじゃなくて肉じゃがのグラタンなんですか」
樹「あれが意外と美味かった」
「肉じゃがが残ったから適当にグラタンにしたんですけどね。手間かかるんですけど」
樹「給料アップ」
「美味しく作らせていただきます!」
樹「金で動くのかよ」
「世の中お金ですよ」
樹「やめてくれよ、そんな事言うの」
溜息なんてつきながらも田中さんは私が作った朝食を綺麗に完食した。最初は前の家政婦に変なもの入れられたからと警戒して食べなかったけど『じゃあ私が毒味でもすりゃ食べますかね』と言って目の前で食べたり『じゃあ料理してる所見たらいいじゃないですか』と料理してる所見せたら信頼された。
数分した頃だろうか。
家のインターホンが鳴ったのでモニターで確認すれば田中さんのマネージャーさんがいた。
「マネージャーさん来てますよ」
樹「立たせといて」
「熱中症で倒れちゃいますよ。外何度あると思ってるんですか」
樹「この部屋涼しいから」
「冷えすぎなんですよこの部屋。冷凍庫みたい」
なんて言いながらオートロックの鍵をあけてマネージャーさんを通す。少ししたら玄関の外に来るだろうからと思っていれば田中さんが目の前で服を脱ぎ始めた。
「セクハラー」
樹「アイドルの裸体だぞ。金とるぞ」
「そんなお粗末な身体見せられた私の方がお金取りたいんですけど」
樹「アイドルの体をお粗末って言うな!!」
「もやしみたいに細い身体なんて……」
樹「鼻で笑うな!!絶壁!!」
「人の体を悪く言うの駄目なんですよ!しかも人のコンプレックスをグサグサと!!」
樹「お前だって散々言ってるだろ俺に!!」
ちょっと前まで口喧嘩してたのにまた口喧嘩。
本当に私たちって口喧嘩ばっかりだなと思っていればインターホンが鳴る。
「ほらさっさと着替えてくださいよ、マネージャーさん来ちゃいましたよ」
樹「二度寝してぇな」
「着替えろおっさん!!」
樹「テメェマジで解雇すんぞ!!あと俺はまだおっさんって言われる歳じゃねぇんだよ!!」
「アラサーがなんか言ってらあ」
樹「マジでぶっ飛ばすぞ」