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緋色の誓い

第4章 因縁の残火


「!?斗亜の刀が…」

剣心は驚き、目を見張った。

斗亜の刀は、真新しい真剣だった。

鞘走りの音が澄んでいる。

鍛えられた刃が淡く蒼く光る。

「行きます…」

ドッ!!

斗亜が地面を蹴り、空へ跳ぶ。

落下する勢いで回転し、比古へ渾身の一撃を叩き込む。

ガッッッ!!!

重い衝撃音が響くが、比古は微動だにしていなかった。

「おお。さすが師匠!オッサンになってもすごいっすね!!」

「誰がオッサンだああああ!!!!」

比古は瞬時に間合いを詰め、鋭い連撃を繰り出す。

剣心が目を見開いた。

「斗亜が…あの師匠の技を…受け止めて…いる…?」

斗亜は息を荒げながらも、師の斬撃を確実に捌いていた。

比古の拳が空を裂き、風圧で木の葉が舞う。

斗亜は刀を立てて受け流す。

ズガン!

左からの蹴り、ギリギリで受ける。

回転してくる裏拳を腕でいなす。

剣心はそれを見ながら唇を震わせた。

「(拙者は…師匠の“鞘打ち”一発で意識を飛ばされた…斗亜は…それを何発も受け止めて…立って…いる…?)」

比古はようやく距離を取った。

斗亜は膝をつきながらも、刀を地面に突き立て、立ち上がった。

「はぁ…はぁ…師匠…相変わらず容赦ねぇっすね…」

比古は腕を組み、鼻で笑う。

「ほう…思ったよりやるじゃねぇか。鈍ったのは剣心だけか…?」

剣心が「うッ」と言葉を失った。

比古の目が、斗亜を射抜く。

「斗亜…お前は“痛み”と“死線”でしか育たん剣客だ。本来の才は兄より上だ。あとは…」

比古は斗亜に向けて顎を上げた。

「お前の“覚悟”次第だ」

斗亜は静かに息を吸った。

その瞳は、剣心によく似ていてしかし、どこか違う光が宿っていた。

「行きます。師匠…兄貴…俺は…俺のやり方で時代を守る!」

比古は口角を上げた。

「来い。逃げ出した十三のガキが…どこまで“大人”になったか見てやる」

斗亜は踏み込み。

山ごと震えるような激突音が、滝の音をかき消した。
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