• テキストサイズ

【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】

第3章 【二巡目】



一巡目の記憶が爆豪の脳裏をよぎった。あの廊下で、ラッピングされた何かを持っていた透の姿。

無意識に、ポケットの中で拳を握りしめる。
「……欲しいのか」

値札には学生には少し高めの価格が記されていた。
店の奥から、老婆がゆっくりとこちらを見やる。穏やかな目元に皺を寄せ、若い二人を微笑ましく眺めるような表情だった。

「あの、これ……アロマオイルは付属してるんですか?」
透が老婆に尋ねる。

「ごめんねぇ、オイルは今切らしちゃってて……。今度入荷するんだけど、もしよかったら一度、アロマウォーターで試してみるかい?」

「いいんですか!?」
透がパッと目を輝かせる。

老婆がカウンター下から小さなガラス瓶を取り出し、蓋を開けて差し出した。レモンとベルガモットが混ざったような、爽やかだがどこか深く甘い紅茶を思わせる香りがふわりと漂う。

「これと似た香りのオイルが今度入荷するよ。」

(……っ)

爆豪の鼻がひくりと動いた。嫌いな匂いじゃない。むしろ、さっきから透からほのかに漂っている紅茶の香りと、どこか似ていた。
腕を組んだまま何も言わない爆豪だったが、立ち去る気配もない。

そんな様子を見た老婆が、優しく微笑む。
「彼氏さんもどうぞ」

「彼氏じゃねぇ」

「あらあら」

/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp