• テキストサイズ

閉店屋の恋は進まない

第12章 君に伝えないといけない


「なんか言うことあるよなぁ?ん?」
「え、何ですか」
「とっくに酒飲めるのにおれに隠してた件」
「…………言う機会がなく……」
「報告しにこいよお!!」
「学業があるので」
「この薄情者ぉ〜!!」
 そうして一通り絡み、困る様子を楽しんでから、急に真面目な顔でオーデンは声を落とした。
 

「どうしてもこの手の事件は気になっちまうか」
「……はい」
 ノルバートが少し、視線を下げた。
「だよなあ……」
 オーデンも新人がいる手前、それ以上は掘らなかった。

「お集まりの皆さーーん!」

 ギルドの職員の呼びかけが響いた。前に立ち、声を増幅させる魔法道具を構えている。
 いよいよ、仕事内容の説明が始まった。

「えー皆さん、ご参加ありがとう。今回の受けていただく依頼は行方不明者の捜索です」

 先週末に起きた、色々な種族の数人が祭りの会場から突如姿を眩ませた事件。巷では組織的な誘拐だとか神隠しだとかと大騒ぎになっていた。

「実際、もし魔法を使った犯罪ならば、魔力の痕跡を追わないとなかなか見つからないかもしれません。ですから今回、皆さんにはエリアごとに分かれてくまなく魔力痕を調べ、警察とも連携し、場合によっては対応して欲しいというわけですねー」

◇◇◇

「シシィ、今度……君に話したい事があって」
 食堂で彼がそう言ってきたのは、たわいもない会話に区切りがついた時だった。
「話したい事?」
 シシィは聞き返してから、あ、と思い出す。
「……それってもしかして、前に喫茶店で聞かせてくれた続きの話?」
 彼は頷いた。
「そう、その話。最近少しずつ整理がついてきた気がするから……今度、試験終わったあたりで、いい?」
「……いいよ、聞かせて」
「ありがとう」

 そう言ってから彼は教科書を鞄に仕舞い、椅子にかけていた上着を羽織った。 
/ 72ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp