第14章 決別
◇◇◇
翌日、ノルバートは保健室を順調に退院し、シシィに本を返してきた。
「読んだよ。すごく良かった。
でも……まだ結末の感想は、言わないほうがいい?」
え。
ノルバートのその言葉に、シシィは少しびっくりして、それからちょっとだけ、悔しくなる。
「……なんでわたしがまだ読みかけってわかったの」
「栞紐の位置、かな」
そうだった。終わりから数ページのところに挟んでいて、そのまま貸したのだ。
「べつに、試験前で我慢してただけだから!気にしないでよ」
終盤まで読んでおいて、誤魔化しに無理があるのは……自分でもわかってるけど。
「シシィ」
「なに!」
「ありがとう」
「いいってば〜!」
ああもう。ぜったい、今ずるい顔してるんだから。わかるんだから。
シシィは少しだけ、足を早めて前を歩いた。