第12章 君に伝えないといけない
ギルドの中庭に、十数人の魔法使いたちが集められていた。
ノルバートが到着して入ってゆくと、雑談に興じていた髭の男が「おお〜、やっぱりきたかぁ」と手を上げ、話の輪に迎えた。
「お久しぶりです。オーデンさん。お元気でしたか」
ノルバートも丁寧に挨拶を返す。
そばにいた、おそらくまだ面識のない新人らしき魔法使いにも会釈する。
「この人スか、氷魔法の」
新人の問いにオーデンが答えた。
「そうそう。こいつがまだ十五とかだったか、ここに所属したての時期によくおれと組んでたんよ。あの頃はもっとちっちゃかったけどよぉ」
「当時は本当にお世話になりました」
「お人形さんみたいだったんだぜ、細っこいし声も小さい、首のところにフリフリついててよ、そんで……」
「……あの、僕の昔の話、もしかして結構皆さんにしてます?」
嫌な予感がしてノルバートがそっと割って入った。
すると新人がはい、と頷く。
「まあまあ聞いてるっス! 警護対象からギルド職員だと信じてもらえずに逆に保護されかけて…みたいな話とか。ノルバートさんの事ですよね?」
「そうそう、しかもそのあと飴いっぱい貰って困ってた」
「全部言ってるじゃないですか……!」
「情報戦の基本だ」
「適当スね〜」
「勘弁してください……」
事あるごとに自分の話をネタにされていそうだ、とは察していたが残念なことに事実のようだ。
このギルドは入ったばかりの新人をベテランと組ませて行動させることが多い。留学したあの頃の自分がなんとか環境に慣れ、ここを続けられているのはどうこう言いながらも面倒を見てもらったおかげで、本当に感謝はしているの……だが。
苦笑するノルバートをオーデンが「で?」とどついた。