第1章 パーティと隅っこ 前編
最初はある程度、落ち着いて喋ってくれていたのだが。
「んん、ん〜〜♪」
花火もとっくに終わり、会場から聞こえてくる音楽に合わせ体を揺らす彼女の隣で、ノルバートは気が気ではなかった。
酔った女の子を連れ出し長く二人きり。人が減ってきた庭。
あの先輩達以上に、実際のところ一番危ない男の動きをやってしまっている。自分でもわかっていた。それで「人のいるほうに戻りますか」と聞いたものの、動く様子がない。
少し困って話題を探す。
「……その曲いいよね、最近あまり追えてないんだけど、あとで曲名調べてみようかな……」
ノルバートが言いかけた時だった。
女の子が不意に立ち上がった。
「おどりましょ!!」
「……えっ?」
「ね、たって!」
「え」
彼女は早速ふらついた。咄嗟に腕を伸ばし、支える。
待て待て待て。
初対面の酔ってる女の子に触る……のは、だめでは……!? でも、ちゃんと支えないと転ぶ……!
しかし、ノルバートの動揺をよそに、彼女はふわふわと笑った。