第3章 友達
正直なところ。
あのダンスの日から……シシィを意識してしまってる。
その上、最近はますます心を開いてくれていて、もう……わりと手遅れの自覚は、ある。
しかし、ノルバートには高校時代にも親友に女の子はいた。
その子のことは別に意識はしてなかったし普通に現在も友達として続いている。
だからこそ、ノルバートは想像してしまう。
もしあの頃、彼女との関係性にうっかり男目線を混ぜていたら?
たぶん向こうからしたら、怖い。今に続くような友情はなかっただろう。
その反面……いや、無理では、とも彼は思う。
あの出会い方で、今の距離感で、意識してしまうのはもう仕方ないのでは??
だが、自分の中でそうやって切り分けたところで、いきなり隣で安心してくれているシシィにぶつけるべきではない。
そもそも本当に付き合うなら相応の覚悟というものがいるし……色々と、まだ……。そう思ってひたすら態度に出さないように気をつけていた。
もちろん、出す勇気もないのだが。
ふと見ると、隣を歩くシシィが何か言いたそうにしている。
「どうしたの? シシィ」
声色に出さないように気をつけながら、ノルバートはいつものように少し屈む。
「……たまたま、見てただけ!」
「そう?」
たまたま見るってなんだろう……でも。
勘違いは、しない。