第2章 虎杖悠仁
【料理】
「…悠仁」
「ん?」
「本当に高校生?」
ロロが呟くと、虎杖は目を丸くした。
「え、急にどうしたの?」
「だって…」
目の前に並ぶ料理を見る。炊きたてのご飯。味噌汁。彩りのいいおかず。そして、ロロが好きなおろしポン酢の料理。
「普通に料理上手すぎる」
虎杖は照れたように頬をかいた。
「そうかな?」
「そうだよ」
「でも、料理って楽しいじゃん」
虎杖は自然な動きで皿を並べる。
「食べる人のこと考えながら作るの」
「例えば?」
「今日は疲れてそうだったから、あっさりめにした。あと、最近暑いから冷たいもの欲しいかなって」
全部、ロロのためだった。
「悠仁ってさ」
「ん?」
「いつからそんなに気が利くの?」
虎杖は少し考える。
「うーん…。好きな人のことなら、自然に気になるだけじゃない?」
また、そういうことをさらっと言う。本人は全く気付いていない。
「はい、味見」
そう言って差し出されたスプーン。
「自分で食べられるよ」
「分かってる。でも、最初の一口は俺が見たい」
虎杖が料理上手な理由が分かった気がした。料理が好きだからだけじゃない。誰かを喜ばせることが好きなのだ。
「悠仁」
「なに?」
「将来、絶対いい旦那さんになるね」
「え!?」
虎杖は顔を赤くする。
「そ、それは…、相手がロロなら、頑張りたいかも」
いつもの真っ直ぐな笑顔。強くて、優しくて。一緒にいる人を安心させる太陽みたいな人。虎杖の料理は、ただ美味しいだけじゃない。大切にされてるって分かる味がした。