第1章 五条悟
【犬猿の仲】※学生五条
「…なんや、その顔」
「ロロこそ」
廊下の真ん中で目が合った瞬間、ロロと五条は同時に顔をしかめた。
「またサボり?」
「任務終わり。ロロと一緒にしないで」
「はっ、よう言うわ」
京都校でも有名な口の悪いロロ。そして、性格の悪さなら負ける気のない五条。顔を合わせれば、必ず火花が散る。
「その無駄に長い脚、邪魔やねん」
「背が低い人にはそう見えるのか」
「一発殴ったろか」
「当たればね」
ロロの拳を、五条は余裕でかわす。その笑みがまた癪に障る。
ある日、任務で2人は強制的に組まされた。
「最悪や」
「奇遇。僕も」
補助監督がため息をつく。
「喧嘩はほどほどにしてください」
『無理』
声がピッタリ重なり、お互い舌打ちする。
「右!」
「言われんでも分かっとる!」
ロロが術式で動きを止めた瞬間、五条が一撃で祓った。息は合う。それが余計に腹立たしい。
「今の、うちがおらんかったら外しとったな」
「勘違いしないで。ロロが邪魔だっただけ」
「性格終わっとる」
「ロロほどじゃない」
また睨み合う。
任務後、ロロは自販機でジュースを買おうと財布を開く。
「あ」
小銭が足りない。
「貸したげよか?」
横から聞こえる声に、ロロは顔をしかめる。
「いらん」
「強がらなくても」
「誰が借りるか」
そう言って、踵を返そうとした瞬間。コトン。缶ジュースが取り出し口に落ちた。振り向くと、五条が勝手にボタンを押していた。
「ほら」
「…頼んでへん」
「返さなくていいよ」
ロロは缶を持ったまま、しばらく黙る。
「…借りは作らへん」
財布から100円を取り出すと、五条に押しつける。
「律儀」
「当たり前や」
「可愛いとこあるじゃん」
その一言で、ロロは思いっ切り五条の肩を殴る。
「誰がや!」
「いてっ」
痛がる素振りを見せながらも、五条は楽しそうに笑っていた。そんな笑顔が悔しくて、ロロは舌打ちする。
「次の任務では絶対負かしたる」
「期待してる」