第2章 虎杖悠仁
【抱き枕】
ロロが新しく届いた大きな抱き枕を抱えて部屋に入ると、虎杖は目を丸くした。
「おっ、でっか!気持ちよさそう!」
ロロがベッドに寝転がって抱き枕をぎゅっと抱きしめると、虎杖は腕を組んでじっと見つめる。
「…なんか、その抱き枕、俺よりいいポジションにいるな」
「え?」
「毎晩抱きしめてもらえるんでしょ?ずるくない?」
拗ねたような声に思わず笑ってしまう。
「じゃあ、悠仁も抱き枕使う?」
「いや」
虎杖はベッドに腰掛けると、照れ笑いを浮かべる。
「抱き枕もいいけどさ…」
そっとあなたの隣へ寝転び、少し遠慮がちに腕を広げた。
「もし許してくれるなら、俺のほうが抱き心地には自信ある」
冗談めかした口調なのに、耳はほんのり赤い。ロロが笑いながら近寄ると、虎杖は安心したようにロロを優しく抱き寄せた。
「ほら、あったかいだろ?」
「うん」
「抱き枕に負けないように、これからは俺も頑張る」
真面目な顔でそんなことを言うものだから、また笑ってしまう。抱き枕はベッドの端へ転がったまま。その夜一番安心できた居場所は、ふわふわのクッションではなく、ロロを大切そうに抱きしめる虎杖の腕の中だった。