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短編

第2章 虎杖悠仁


【あなたは私の一番星】


任務帰りの夜。街の明かりから少し離れた橋の上で、ロロは夜空を見上げていた。

「星、見てるの?」

隣に並んだ虎杖が、缶ジュースを一本差し出す。

「うん。今日は一番星がきれいだから」

受け取ったジュースを握りながら答えると、虎杖も空を見上げた。

「どれ?」

「あそこ」

ロロが指さした先で、小さな星が夕闇の中に一つだけ輝いている。

「ほんとだ」

しばらく2人で黙って眺める。風が吹き、ロロの髪が揺れた。

「ねぇ、悠仁」

「ん?」

少し照れくさくなりながらも、ロロは笑う。

「私にとって、一番星って悠仁みたい」

「…え?」

「落ち込んでても、怖くても、悠仁が笑ってると前を向けるから」

虎杖は目を丸くしたまま固まった。

「だから、あなたは私の一番星」

数秒の沈黙。

「そ、そんなこと急に言う!?」

耳まで真っ赤になった虎杖は頭を抱える。

「俺、そういうの耐性ないって!」

「本当のことなのに?」

「それが一番困るんだよ!」

慌てる姿がおかしくて、ロロは思わず笑った。すると虎杖は照れ笑いを浮かべながら、そっとロロの手を握る。

「じゃあさ、俺にも言わせて」

握る手に少しだけ力がこもる。

「俺にとっても、ロロが一番星だよ」

「え…」

「暗い時でも見つけられるし、見つけると安心する。頑張ろうって思える」

虎杖は優しく笑った。

「だから、お互い一番星ってことで」

ロロも笑って頷く。

「うん」

2人は手をつないだまま、夜空に輝く一番星を見上げた。その日からロロにとって一番輝く星は空ではなく、隣で照れ笑いを浮かべる虎杖だった。
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