第2章 虎杖悠仁
【言い間違い】
「腹減ったー!」
虎杖はソファに倒れ込み、ロロが買ってきた肉まんを嬉しそうに受け取る。
「ほら、熱いから気をつけて」
「ありがと!」
ロロがペットボトルの飲み物を差し出すと、虎杖は何も考えずに受け取ってーー。
「ありがとう、お母さん!」
しん、と部屋が静まりかえる。
「…え?」
ロロが固まる。虎杖も一拍遅れて、自分が何を言ったのか理解した。
「ち、違っ!違う違う違う!!」
耳まで真っ赤になって、虎杖は立ち上がる。
「今のは言い間違い!本当に!」
その騒ぎを聞きつけた五条が顔を出した。
「悠仁、もうプロポーズ?」
「違います!」
釘崎は肩を震わせて笑い、伏黒はため息を吐く。ロロは吹き出しそうになるのを堪えながら尋ねた。
「そんなに私、お母さんっぽい?」
「いや!そうじゃなくて!」
虎杖は必死に頭をかく。
「ロロが世話焼いてくれるから…安心しちゃって、その…」
そこまで言って、また赤くなる。
「だからって、お母さんはないよね…」
ロロが笑うと、虎杖は申し訳なさそうに眉を下げた。
「ごめん」
「ふふ、大丈夫。でも、次はちゃんと名前呼んでね」
「もちろん!」
勢いよく頷いた虎杖は、今度こそ照れながら笑う。一方、五条はニヤリと小さく笑った。
「そのうち、お嫁さんって言い間違えたりして」
「五条先生!!」
虎杖の叫び声と、皆の笑い声がしばらく響き続けた。