第2章 虎杖悠仁
【秘密】
「また明日!」
「うん、またね!」
幼い頃からの幼馴染であるロロと虎杖。学校でも放課後でも、いつも一緒。虎杖は明るく笑い、ロロもその笑顔を見るのが好きだった。けれど、ロロには虎杖にも言えない秘密がある。それは、呪術師として呪霊を祓っていること。危険な世界だからこそ、普通の生活を送る虎杖だけは巻き込みたくなかった。
放課後。
「今日は用事があるから先帰って!」
「了解!また明日な!」
何も疑わず手を振る虎杖を見送り、ロロは任務へ向かった。廃ビルに現れた呪霊との戦いは予想以上に激しかった。壁へ叩きつけられ、制服は破れ、腕には切り傷が走る。それでも最後の一撃で呪霊を祓い、ロロは深く息を吐いた。
「…終わった」
急いで制服を整え、傷を隠して帰路につく。家の前まで来ると、隣の家から虎杖が顔を出した。
「おかえり!」
「た、ただいま」
「疲れてる?」
「ちょっとね」
虎杖は心配そうにロロを見つめるが、任務のことなど知るはずもない。
「ちゃんと寝ろよ?」
「うん」
ロロは笑顔を作る。嘘をつくたび胸が痛む。それでも、この優しい幼馴染を、危険な世界に巻き込みたくなかった。
その夜。窓を開けると、向かいの虎杖の部屋にも明かりがついていた。目が合うと、虎杖は嬉しそうに手を振る。ロロも小さく振り返す。誰よりも近くにいるのに、一番大きな秘密だけは伝えられない。
「…いつか話せる日が来るのかな」
そう呟きながら、ロロはそっとカーテンを閉めた。