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短編

第2章 虎杖悠仁


【キス】


任務を終え、高専へ戻る帰り道。

「はぁー、…疲れた」

虎杖が大きく伸びをすると、少し前を歩く伏黒が振り返る。

「油断するな。帰るまでが任務だ」

「分かってるって」

そんな2人のやり取りに、ロロは思わず笑った。

「今日は本当にお疲れ様」

そう言うと、虎杖は嬉しそうに笑う。

「ロロもな」

高専に着くと、伏黒は軽く手を上げた。

「俺は報告書を出してくる」

「了解!」

伏黒が校舎の中に入っていき、辺りにはロロと虎杖だけが残る。

「…よかった」

虎杖がポツリと呟いた。

「ロロにケガがなくて」

その真っ直ぐな言葉に、胸が熱くなる。

「悠仁が守ってくれたから」

「当たり前」

照れくさそうに笑いながらも、その瞳はどこまでも優しい。

「好きな人は守りたいから」

不意打ちの一言に、ロロは思わず顔を赤くした。

「そういうこと、急に言うんだから…」

「ごめん」

そう言いながらも、虎杖はロロから目を逸らさない。

「…1つだけ、お願いしてもいい?」

「何?」

「キス、したい」

ロロは小さく頷く。虎杖はそっとロロの頬に手を添え、ロロの表情を確かめるように微笑んだ。

「ありがとう」

そして、夕焼けの中で優しく唇を重ねる。ほんの一瞬だけの、触れるようなキス。離れると、2人共照れて笑ってしまった。

「やっぱり緊張するな」

「私も」

すると、遠くから伏黒の声が聞こえた。

「…終わったなら、早く来い」

振り向くと、伏黒が少し呆れたような顔でこちらを見ている。

「見られてた!?」

虎杖が慌てると、伏黒は溜め息をつく。

「見ようと思って見たわけじゃない」

そのまま歩き出す伏黒の耳が、ほんの少しだけ赤く見えた。ロロと虎杖は顔を見合わせて、照れ笑いを浮かべる。

「続きはまた今度」

虎杖が小さく囁き、ロロの手をそっと握る。

「うん」

繋いだ手の温もりを感じながら、2人は伏黒の後を追いかけた。
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