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短編

第1章 五条悟


【漫才】


五条「どうもー! 本日は『恋人との日常』をお送りします!」

「誰が決めたんですか」

五条「スポンサーの僕です」

「自腹ですね」

五条「では早速。恋人に一番必要なものは?」

「思いやり」

五条「正解。でも僕の答えは四六時中いちゃいちゃ」

「不正解」

五条「えぇ!?」

「採点は私です」

五条「審査員買収したい」

「できません」

五条「じゃあ賄賂にキスを」

「没収です」

五条「厳しい!」

観客もいないのに、五条は大げさに頭を抱える。

五条「続いての問題。恋人が急にかわいく笑いました。どうする?」

「一緒に笑う」

五条「違います」

「違うんですか」

五条「抱きしめる」

「即アウト」

五条「じゃあ手をつなぐ」

「…それなら」

五条「やった!はい!」

勢いよく手を握られ、そのまま指を絡められる。

「先生、漫才中です」

五条「漫才だからセーフ」

「意味が分かりません」

五条「じゃあ質問。ロロは誰の恋人?」

「…五条先生」

五条「もう一回!」

「何でですか」

五条「嬉しいから」

「五条先生の恋人です」

五条「うわ、幸せ」

「単純」

五条「ロロ限定でね」

ロロが照れて目を逸らすと、五条は得意げに笑う。

五条「最後のネタ!」

「まだあるんですか」

五条「恋人がかわいすぎて困ってます」

「病院行きましょう」

五条「診断結果です。一生治りません」

「重症ですね」

五条「処方箋はロロ」

「私は薬じゃありません」

五条「毎日1回、ぎゅーっと抱きしめること」

「先生が得するだけですよね」

五条「もちろん」

「正直」

五条「あと、1日3回好きって言ってください」

「多いです」

五条「じゃあ10回」

「増えてます」

五条「足りない?」

「欲張り」

五条「恋人には欲張りになるって決めてる」

ロロが小さく笑うと、五条はその笑顔を見つめて柔らかく微笑んだ。

五条「ほらね」

「何です?」

五条「結局、一番笑えるのはロロが笑ってる時なんだよ」

その不意打ちに、ロロは何も返せず顔を真っ赤にする。

「…最後だけずるい」

五条「漫才は笑わせるものだけど、ロロには、恋に落ち直してほしいからね」
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