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短編

第1章 五条悟


【告白】※学生五条


「告白?」

五条はロロの言葉を聞くなり、吹き出した。

「誰に?」

「…悟に」

一瞬だけ沈黙が落ちる。けれど次の瞬間、五条は口角を吊り上げた。

「へぇ」

その顔は、獲物を見つけた猫みたいだった。

「ずいぶん勇気あるじゃん」

「笑わないでよ…」

「笑うよ。だってロロさ、俺に勝てると思って告白したの?」

「勝つとか負けるとかじゃない!」

「そう?」

五条はロロの顔を覗き込み、わざとらしく首をかしげる。

「断られたら泣いて帰るつもりだった?」

黙り込むロロを見て、満足そうに笑う。

「図星」

「最低」

「褒め言葉?」

ぷい、と顔を背けると、五条は肩をすくめた。

「じゃあ聞くけど」

五条はロロの逃げ道を塞ぐように壁へ手をつく。

「俺のどこが好き?」

「そんなの…」

「言えない?」

「恥ずかしい」

「ふーん、俺なら言えるけど」

「え?」

「ロロの笑った顔。照れると耳まで赤くなるところ。俺を見るたびに目が泳ぐところ。全部かわいい。だからさ」

五条はロロの顎をそっと持ち上げ、逃げられないように視線を合わせる。

「ロロが告白するの、ずっと待ってた」

「…え?」

「俺から言ってもよかったけど、ロロが勇気を出す瞬間、見たかったから」

「そんな理由で!?」

「うん」

「性格悪いでしょ」

「知ってる。でも、ロロが『好き』って言った瞬間、嬉しくて仕方なかった」

その本音だけは、からかいじゃなかった。

「返事、まだだったね」

五条はロロの手を取り、指先に軽く口づける。

「もちろん、付き合う。俺を本気で好きな子、手放すわけないじゃん」

ロロが真っ赤になって俯くと、五条は満足そうに笑った。

「その顔、俺だけの特権だから他の奴には見せないで」

独占欲まで隠そうとしない。本当に性格が悪い。それなのに、そのわがままさえ愛おしいと思ってしまう自分に、ロロは小さくため息をついた。すると五条はそのため息さえ見逃さず、耳元で囁く。

「ため息つく暇があったら、もっと俺のこと好きになってよ」

その挑発的な笑顔に、今日もまた振り回されるのだった。
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