第1章 五条悟
【羊と狼】※学生五条
「ロロってさ」
放課後の教室で、五条は机に頬杖をつきながら笑った。
「羊みたい」
「羊?」
「うん。のんびりしてて、すぐ人を信じるところが。危なっかしくて目が離せない」
ロロはむっと頬を膨らませる。
「じゃあ、悟は?」
「狼」
得意げに笑う五条に、ロロは納得して頷いた。
「確かに。性格悪いし」
「おい、最後いらなくない?」
笑い合う2人。その時、ロロは何気なく言った。
「でも、狼は羊を食べちゃうんでしょ?」
その言葉に、五条は少しだけ笑みを消した。
「…普通の狼ならね」
五条は椅子から立ち上がり、ロロの目の前まで歩いてくると、少し屈んで目線を合わせる。
「でも俺は、羊を泣かせる趣味はない」
ロロの頭をぽんと撫でながら、いたずらっぽく笑った。
「むしろ、他の狼から守る役。だから安心して。ロロは俺の後ろにいればいい」
あなたは首を横に振る。
「私は守られるだけの羊じゃないよ。私も悟を守る」
その返事に、五条は一瞬きょとんとしたあと、小さく笑った。
「参ったな。そんな羊、初めて見た」
「強い羊でしょ?」
五条は優しくロロの額を指で軽く弾く。
「君は羊の皮をかぶった勇者。俺のことまで守ろうとするなんて」
ロロは少し照れながら笑う。
「好きな人だもん」
その一言に、五条は肩をすくめ、大げさにため息をついた。
「それ反則」
そう言ってロロの手を握る。
「じゃあ約束。羊が迷子にならないように、狼がずっと隣を歩く」
ロロも握り返し、笑顔で頷いた。
「その代わり、狼が1人で戦おうとしたら、羊が迎えに行く」
五条は目を細めて笑う。
「いいね。そんな羊なら、一生手放せそうにない」