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短編

第1章 五条悟


【強くなりたい】※学生五条


「お前、本当に呪術師向いてる?」

任務開始早々、五条はロロを見下ろして笑った。

「その程度で息切れ? まだ準備運動だけど」

「…うるさい」

「図星?」

腹が立って睨み返すと、五条は面白そうに口角を上げる。

「その顔いいね。悔しいなら強くなれば?」

「悟」

隣にいた夏油が静かに名前を呼ぶ。

「言い過ぎだ」

「事実しか言ってない」

五条は悪びれる様子もない。

「弱い奴が死ぬ世界なんだから、中途半端な慰めなんて意味ないでしょ」

その言葉に胸が痛む。悔しさを押し殺しながら任務を続けるが、焦ったせいで呪霊の攻撃を避けきれなかった。

「っ!」

次の瞬間、呪霊が吹き飛ぶ。

「だから言ったじゃん」

五条がロロの前に立っていた。

「無茶すんなって」

「…さっきは弱いなら死ぬって言ったくせに」

「言ったよ」

彼はあっさり頷く。

「だから生き残れ。死んだらそこで終わり」

その言い方は相変わらず棘だらけだった。

「俺は弱いことを笑ってるんじゃない。弱いままで満足してる奴が嫌いなだけ」

夏油は肩をすくめる。

「もう少し優しく言えば、伝わると思うんだけどね」

「優しくして強くなるなら、苦労しないでしょ」

そう言って、五条は背を向ける。

「ほら、さっさと帰るぞ。次の任務までに、少しは強くなっといて」

「…絶対追い越してやる」

その言葉に五条は振り返り、挑発するように笑った。

「できるもんならね」

性格は最悪。口も悪い。それでもその背中は誰よりも強く、誰よりも仲間を死なせないように、最前線に立ち続けていた。
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