第15章 日向翔陽
【お姫様抱っこ】
放課後の体育館。練習を終えたロロは、疲れて壁にもたれた。
「大丈夫か?」
すぐに日向が駆け寄ってくる。
「ちょっと疲れただけ。へい…」
言い終わる前に、背中と膝裏へ腕を回された。
「わっ…!」
ふわっと身体が浮く。
「日向!?」
「お姫様抱っこ!これなら楽でしょ?」
「そういう問題じゃないって!降ろして!」
「嫌だ!」
即答され、ロロの顔が一気に熱くなる。
「重くない?」
「全然!むしろ、もっと頼ってほしい!」
「…恥ずかしいから、顔見ないで」
「えー?」
日向が笑った、そのとき。
「おーい、お2人さん?」
振り返ると、菅原がニヤニヤしながら立っていた。
「青春してんなぁ」
「ち、違います!」
日向はきょとんする。そこへ田中と西谷もやってくる。
「なにィ!?お姫様抱っこだと!?」
「翔陽、やるじゃねぇか!」
ロロが真っ赤になって俯くと、菅原がさらに笑う。
「で、日向。どこまで送るんだ?」
「家まで!」
「おおー!」
「冷やかさないでください!」
体育館に笑い声が響く。恥ずかしさに耐えきれず、ロロは日向の肩に顔を隠した。
「…もう嫌」
すると日向が小さな声で。
「俺は嬉しいけどな」
「…え?」
「こうやって頼ってもらえるの」
照れた笑顔に、胸がどきんと鳴る。
「…じゃあ、少しだけ」
ロロが日向の肩に腕を回す。
「うん!」
日向は嬉しそうに笑い、ロロを抱え直した。