第1章 五条悟
【以心伝心】
「ねぇ、何食べたい?」
デパートのフードコートで、ロロが尋ねる。
「んー…」
五条は少し考えた後、ニヤッと笑った。
「せーので言おっか」
「いいよ」
2人は顔を見合わせる。
「せーの!」
『パンケーキ』
ピタリと重なった答えに、2人ともキョトンとした。
「…え」
「うわ、本当に一緒?」
思わず笑い合う。
「じゃあ、飲み物は?」
「また当てるよ」
「せーの」
『アイスカフェラテ』
また一致。
「嘘でしょ」
ロロが笑えば、五条も肩を揺らして笑う。
「ここまで一緒だとちょっと怖いね」
「悟が私の考え読んでない?」
「さすがの六眼でも心までは読めませーん」
「じゃあ次。私が思ってること」
「いいよ」
「せーの」
『手繋ぎたい』
また重なった。
「なんで分かったの…」
「だって僕も同じ事、考えてたから」
五条は照れ笑いを浮かべながら、そっと手を差し出す。
「以心伝心ってやつ?」
ロロは照れながら、その手を握った。指を絡めると、五条は満足そうに微笑む。
「嬉しいな」
「私も。じゃあ、最後の問題」
「まだあるの?」
「うん」
五条はロロの手を握ったまま、優しく笑う。
「せーの」
『好き』
また同時だった。照れて笑うロロを、五条はそっと抱き寄せる。
「僕たち、相性最高じゃない?」
「…悔しいけど、そうかも」
「じゃあ、ご褒美」
五条はロロの額へ優しくキスを落とした。
「これからも、ずっと以心伝心でいよう」
ロロは幸せそうに笑い、頷いた。